― レジ待ち不要、無人レジによる“100%非接触”の安心・快適な購買体験を提供、学生と教職員の利便性向上へ ―

背景

ドイツのEHI小売研究所が発表した「2021年小売テクノロジートレンド」では、多くの小売店舗が自動化への転換を進めていることが示されており、約29%の事業者が自動化を業界の将来における重要な流れと認識しています。

一方で、ドイツでは営業時間の制限が他のヨーロッパ諸国と比べても特に厳しく、加えて新型コロナウイルスの影響により、実店舗での購買体験が大きく制限されました。こうした状況下で、自動化店舗への関心と導入のスピードが一気に高まりました。

シュヴァルツグループは、世界中にLidl（リドル）やKaufland（カウフランド）を含む12,500店舗以上を展開する、ドイツ最大級の小売企業であり、2020年のデロイト「世界小売業ランキング」では第4位にランクインしています。

同社は、CloudpickのAI無人店舗ソリューションを活用し、無人レジ・無人運営による新たな買い物体験を提供することで、コスト削減と業務効率化を実現すると同時に、24時間対応の便利なスマートリテールへの変革を目指しています。

導入ソリューション

Cloudpickの先端AI技術を活用したスマートリテール・ソリューション：

• Moby Mart（モビー・マート）
  移動可能なスマートストア。屋外設置に特化しており、短期間で設置・運営が可能。AIによるコンピュータビジョン、機械学習、マルチセンサ統合により、顧客の購買行動や商品情報を高精度で認識し、自動決済を実現。

導入効果

2021年3月15日、ドイツ・バーデン＝ヴュルテンベルク州立デュアル大学（DHBW）構内に、シュヴァルツグループが手掛けるデジタルリテール戦略の新たな試験店舗「shop.box」がオープンしました。

無感決済による“100%非接触”体験

shop.boxは学生および教職員専用で、初回利用時に大学IDカードを用いてアプリで登録し、決済手段を追加。その後はアプリを起動してスマートフォンを振ることで表示されるQRコードをスキャンするだけで入店可能です。

店内ではCloudpickのAIが利用者の行動と商品選択をリアルタイムで認識し、選んだ商品は自動的に仮想カートに追加され、棚に戻せばすぐに削除されます。

退店後数秒以内にアプリに購入明細が届き、必要に応じてメールでの送付にも対応しています。

マスク着用時でもカメラの認識精度に影響はなく、パンデミック以前と変わらないスムーズな購買体験を実現しています。

多機能ストアとして学生生活をサポート

大学構内のニーズに基づき、DHBWの学生たちが商品ラインアップを選定。日常的に需要の高いスナック、フルーツ、飲料に加え、授業や自習中に適したリフレッシュ食品も多数取り揃えています。

営業時間に縛られず、食事を逃してしまった場合や、混雑による待ち時間を避けたい時にも、素早く購入・飲食が可能。図書館の向かいという立地もあり、学習の合間にエネルギー補給ができるほか、帰宅時に翌日の朝食用のミルクや果物を気軽に購入できます。

本プロジェクトの実行責任者であるシュヴァルツグループのロベルト・ラドケ氏によると、shop.boxはコンテナ型の自動化店舗で、小型かつ可搬性に優れ、キャンパス内の様々な場所に柔軟に設置可能です。輸送や現地での展開もスムーズで、今後さらに多くのシーンへの導入が期待されています。

コンテナ型ソリューション：迅速な展開から広範な導入へ

シュヴァルツグループのキャンパスサービスセンター・プロジェクト責任者であるロベルト・ラドケ氏によると、今回設置されたshop.boxはコンテナ型の自動化店舗で、非常にコンパクトな設計のため、輸送や移動、現地での設置において高い柔軟性を備えており、キャンパス内のさまざまな場所に手軽に設置することが可能です。

また、コンテナの外観デザインも、設置されるシーンに応じて柔軟にカスタマイズ可能です。shop.boxは一見すると可動式にも見える金属製の外壁を採用することで、未来感とテクノロジー感あふれる店舗イメージを実現しており、キャンパス内のモダンな建築と調和しつつ、DHBWが掲げる革新性のある校風とも見事にマッチしています。

お客様の声

シュヴァルツグループIT部門のプロジェクト統括責任者であるアンドレアス・ラウバー氏は、従来の店舗のようにレジで並んで精算する方式とは異なり、この新しいリテールソリューションでは、顧客が購買行動を取った時点で自動的に課金され、退店後に登録済みのアカウントから直接代金が引き落とされると説明しています。将来的には、「レジ」という概念自体がなくなるかもしれません。