クラウドピックのコンテナ型スマートストアがハンガリーに登場！ 中国の先端技術がグローバルな実店舗のスマート化を加速サポート！

プロジェクト背景

Kende Gastroは飲食および小売業界で約40年の経験を持つ企業です。COVID-19の影響でオフラインショッピングの方法や習慣が大きく変化する中、創業者兼最高財務責任者（CFO）であるケンド・ガボール氏は、今後は迅速な決済とキャッシュレス支払いが飲食・小売業の重要な転換点になると認識しました。そこで2020年に無人化・自動化の戦略を開始し、スターバックスやアマゾンに先駆けて、ブダペストでコーヒーブランド「Costa」と提携し、世界初の自動化コーヒーストアをオープンしました。

自動化店舗分野では、RFID技術やセルフレジを活用した自販店が既に登場しているものの、利便性やコストパフォーマンスの面で課題が残っていました。2021年9月、より優れたソリューションを模索する中で、ケンド・ガボール氏はコンテナ型の自動化店舗に関する記事を目にし、詳しく検討した結果、同社の将来を牽引する新たな事業としてこの革新的なビジネスを位置づけました。その後、複数のテクノロジー企業と協議を重ねた末、AI無人小売・無人倉庫ソリューションの提供企業であるCloudpick（クラウドピック）へ協業を打診しました。

ソリューション概要

クラウドピックAI数智化ソリューションは、3Dマシンビジョン、深層学習、多センサー融合などの最先端技術をベースに構築されています。

• クラウドピック魔箱（Moby Mart）
  移動可能なスマートストアとして、多様な屋外シーンに迅速に展開可能。コンピュータビジョン、機械学習、多センサー融合技術により、顧客の商品の取り置きや返却動作を高精度に認識し、店舗出口での自動決済を実現します。

• クラウドピック店舗数智化管理システム
  店舗経営者はいつでもどこでも店舗状況を確認可能。オンラインでの発注、価格調整、プロモーション設定、欠品アラートの取得などができ、遠隔から店舗運営をコントロールできます。

導入効果

2022年5月、世界有数の決済会社MasterCardはコカ・コーラと提携し、クラウドピックの可動式AIスマート無人店舗製品「魔箱（Moby Mart）」を導入。これにより、ハンガリーの有名食品企業Kende Gastroはブダペストに同社初のコンテナ型自動化店舗「Take it easy」をオープンしました。

ブダペスト初の自動化店舗、買い物体験を刷新
「Take it easyはAIカメラを活用し、消費者の購買行動を全行程で追跡し、商品の取り置きや戻しを認識します」と、最近のフォーブス誌のインタビューでKende Gastroのケンド・ガボール氏は語っています。「つまり、店員やレジ係が不要で決済が可能となり、夜間や週末、祝日の高い人件費問題を解決。7×24時間の営業を実現しています。」

具体的には、消費者は初めて来店する前に「Take it easy」アプリをダウンロードし、アカウント登録とMasterCardクレジットカードの紐付けを行います。その後、来店のたびにアプリを起動してQRコードを取得・提示することで、ゲートを通過できます。

AIカメラは、顧客が棚から何の商品を取ったかを正確に識別し、その商品をリアルタイムで顧客に紐づけられた仮想ショッピングカートに追加します。商品を棚に戻すと、即座にその商品を仮想カートから除外します。では、何度も取ったり戻したり、気が変わったり、あるいは誤って別の棚に商品を置いてしまった場合でも、AIカメラは正しく判断できるのでしょうか？答えは「できる」です。

顧客は商品を選び終えたらそのまま店を出るだけで、数秒のうちにMasterCardクレジットカードから該当金額が自動で引き落とされ、アプリには今回の購入明細が届きます。誤って商品を取ったり戻したり、あるいは直接バッグに入れてしまっても、最終的には正確に決済され、注文内容は間違いありません。

このような決済方式は、クレジットカード会社による「無感（ノータッチ）決済」の展開を加速させており、より便利で安全な支払い体験を通じて新たなビジネスモデルを生み出し、市場のさらなる拡大につながっています。

Take it easy、その名の通りの気軽さです。布ダペストの消費者はこの店の登場によって、「取ったらそのまま持ち出し、支払い不要」という便利さと不思議さを体験し、従来の店頭ショッピングのイメージが一新されました。

また特筆すべきは、Take it easyは「1つのQRコードで複数人が入店可能」という機能を備えている点です。来店前に同行人数を設定するだけで、家族や友人が同じQRコードをスキャンして一緒に入店でき、最終的にすべての購入履歴はそのQRコードに紐づく支払いアカウントに記録されます。

コンテナ型自動化店舗が開店効率を刷新
コンテナは非常に柔軟な商業要素であり、このコンテナをベースにした自動化店舗は世界中のあらゆる場所へ迅速に展開が可能です。

豊富なエンジニアリング経験を持つクラウドピック社が手掛けるコンテナ型自動化店舗は、コンテナ単位での配送が可能で、プラグ＆プレイ方式により、わずか2～3週間で設置と調整が完了します。この業態は建築許可が不要なため、工業団地、住宅地、商業エリア、展示会、観光地など、様々な屋外環境に気軽に設置でき、スピーディーな開店を実現します。

さらに、周囲の環境やマーケティングニーズに合わせて外観のカスタマイズも可能です。今回の「Take it easy」では、MasterCardとクラウドピックのロゴを取り入れつつ、温かみのある色調でコカ・コーラのブランドカラーを反映。完成した店舗は、消費者に楽しく活気あふれるビジュアルイメージを届けています。

設置や各種ハード・ソフトウェアの調整に加え、クラウドピック社は専任のカスタマーサクセスチームを配置し、コンテナ型自動化店舗の運営期間中、継続的なIT技術サポートを提供しています。また、ユーザーの属性分析や消費データのレポートも提供し、運営側が迅速かつ的確に改善策を講じられるよう支援しています。

無人小売ソリューションの潜在力を解き放ち、応用シーンを刷新
一定期間の運営を経て、ケンド・ガボール氏はますます確信を深めています。無人小売こそが業界の未来だと。

一方で、無人レジ、無人店舗は店員の負担軽減や人手不足の解消に寄与し、消費者には新たな利便性を提供するだけでなく、運営者にとっても管理面の利便性を実感させ、開店のハードルを大幅に下げています。

また、自動決済の導入によってレジスペースが不要となり、その分の限られたスペースをより多様な商品の陳列に活用できるため、店舗の経済効果向上にも繋がっています。

今年3月に開催されたハンガリー博覧会において、Kende Gastroはクラウドピック社のAI技術を活用した自動化店舗で、小売技術イノベーション部門の金賞を受賞しました。これはフランスのオーシャンに続き、クラウドピック社が顧客のために国際的に著名なイノベーション賞を再び獲得した快挙となります。

お客様の声

Take it easyのように飲料販売に留まらず、肯德・加博尔氏は無人小売が他の多様なカテゴリーでも広く活用できると考えています。将来的には、大型チェーンスーパー、小規模な雑貨店、ペットフード店、書店、ホテルなど、100店舗の自動化店舗を開設する計画です。

また、肯德氏はこのソリューションを「ハンガリー田舎計画」にも応用し、人口の少ない遠隔地の村で食品店が不足していることによる買い物の不便を解消し、より多くの人々が「取ってそのまま持ち帰る」利便性と楽しさを享受できるようにしたいと考えています。

今回の協業を通じて、MasterCardやコカ・コーラなどのクレジットカード会社やブランド企業も、無人小売ソリューション、特に集装箱型自動化店舗の巨大な可能性を認識しました。こうした動きを背景に、デジタル化・スマート化・自動化の新たな波が世界中で巻き起こることが期待されています。